大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県・関西圏・近畿圏のお祭り・年中行事
(注1)関西2府4県の代表的な年中行事・伝統行事・慣例儀式・風物詩の開催情報一覧。現代的なイベントでも定着しているものは年中行事にカウントしているので、極めてバラエティに富んでいる。
(注2)一般に年中行事(annual event)は、毎年一定の季節・日時に行われる行事・風習・イベントをいう。全国的な伝統行事・風物詩と、特定の地方・地域・自治体・名所旧跡・各種施設に特有なものに分けられるが、例外的にクリスマスのように外国の行事で日本に根付いたものもある。ここで取り上げる年中行事は、個別の地域・場所で実施されるもので、全国的な伝統行事の場合もあれば、その地域・名所・施設特有の行事の場合もある。
(注3)日本の代表的な年中行事は、初詣、消防出初式、七草粥、左義長・どんと焼き、節分・豆まき、梅見、雛祭り、春の彼岸、お花見・さくらまつり、端午の節句、バラ祭り、大祓い、海開き、七夕、ビアガーデン、夏祭り、花火大会、海水浴、お化け屋敷、お盆、お月見・観月祭、秋の彼岸、七五三、秋祭り、紅葉狩り、紅葉ライトアップ、菊花展、酉の市、イルミネーション、クリスマス、歳の市、除夜の鐘などである。寺社関係の伝統行事や、古来からの季節の行事が主体だが、現代的なイベントでも定着すれば年中行事になる。バレンタインデー、ハロウィンがそうであり、中華街の春節も日本人に知られるようになった。マラソン大会のように都市毎に開催日が重ならないように一定の時期に決めている年中行事もある。またみどりの日(5/4)や文化の日(11/3)といった国民の祝日や、県民の日・国際博物館の日などの各種記念日に起因する年中行事もある。
(注4)年中行事は暦(れき)に基づいて行われる。地球の自転が昼と夜を生むので、地球の1自転を1日としたことは自然なこと。また地球が地軸を傾けながら太陽の周りを1周する間に季節が生まれるので、地球の1公転(グレゴリオ暦で365.2425日)を1年としたこともやはり自然なことである。となると1年を365日として、4年に1回366日の年(うるう年)を設ければすむ話だが、人間は「年」と「日」の間に「月」と「週」を入れこんで暦を複雑にしている。これはカレンダーや時計のなかった時代には、夜空の月の見た目の移り変わり(月の公転による月の満ち欠け)で日にちを知ることができ、生活をしていく上で極めて重要だったため。また、月の公転周期は約29.5日であり、新月から上弦(右下半月)、上弦から満月、満月から下弦(左上半月)、下弦から新月のそれぞれの間隔が約7日であったので、週が生まれたと考えられる。月の見かけを基にした暦を太陰暦(たいいんれき)と言う。太陰は(太陽に対して)月のことである。太陰暦では30日まである月を大の月、29日までの小の月といい、各月が大になるか小になるかは年によって変わった。
[図1]地球の公転と季節の変化
(図1注)地球が自転軸を傾けたまま公転することによって季節が変化する (出所:国立天文台)
(注5)太陰暦は、月の満ち欠けを見ればいいので、暦の知識のない昔の人にもわかりやすかった。しかし月の満ち欠けを基準とすると12ヵ月は約354日(約29.5×12)で1年約365日(1公転周期)に約11日足らない。この約11日を無視して次の年に入るとどんどん季節がずれていってしまう。前の年と30日近く違うと暦の上では同じでも、同じ季節とは感じられなくなる。人々の生活の中心である農作業にも使えない。
それで1年を24等分した二十四節気(春分・秋分・夏至・冬至など)を導入して、これを基準にしてほぼ3年毎に閏月を加えて暦を補正(もとに戻す)したものを太陰太陽暦と言う。例えば近年では2017年5月の後に閏5月が、2020年4月の後に閏4月が、2023年2月の後に閏2月が入る。閏月を挿入した年は13ヵ月になるので、その翌年の旧暦元旦(春節)は新暦で見ると2月中旬までずれ込む。閏月についても30日までの大の場合と29日までの小の場合がある。月日は月の満ち欠けから、季節は日(太陽)の長さから決まるのが太陰太陽暦の特徴。
太陽暦では、二十四節気は年が変わってもほぼ同一の日にちになっている。ほぼと言うのは(注4)でみたように1年(365.2425日)は24の整数倍ではないので同一にはならないし、4年に一度の閏年でかなり調整できるが、調整しきれない部分も残る(400年間で3日追加し過ぎになる)。そこで西暦年号が4で割り切れる年を閏年としているが、西暦年号が100で割り切れて400で割り切れない年は平年とすることが決まっている(400年間に3回閏年をなくす)。したがって例えば2100年は閏年ではなく平年になる。グレゴリオ暦1年(365.2425年)は、1太陽年(約365.2522年)とは微差があるので完全ではないものの、実用上は十分な暦となっている。
[図2]公転軌道を24分割したものが二十四節季(にじゅうしせっき)
(図2注)春夏秋冬を各6分割して季節を表現 (出所:国立天文台)
(注6)日本では飛鳥時代から明治の初期まで太陰太陽暦が(改良を加えながら)使用された。明治5年12月2日(1872年12月31日)まで使用されていた太陰太陽暦を旧暦と呼んでいる。その翌日が明治6年1月1日(1873年1月1日)となって新暦(グレゴリオ暦)がはじまった。旧暦明治5年12月は大の月だったので30日まであるはずだった。改暦の公布は明治5年11月9日だった。テレビもネットもない時代に周知期間わずか3週間で、突然12月3日から30日までの28日間が消えたわけで、大混乱になったと思われる。
(注7)二十四節季は、各月に2つの節季を割り当てている。1月は立春と雨水(うすい)で、雨水は新暦では2月18日か19日頃になる(毎年ほぼ同じ)。旧暦ではこの雨水を含む月を1月と定義し、その直前の新月の日を1月1日とする。したがって旧暦元旦は新暦1月21日から2月19日までの間にある(変動する)。ズレがあってしかもその幅が変動するわけだが、平均すると約1ヵ月なので、伝統行事では、お盆のように1月遅らせて実施することが普通になったものもある(月遅れのお盆)。
(注8)伝統的な年中行事は新暦採用に合わせて移動したものと、そのまま旧暦で実施されているものがある。桃の節句(3月3日)や菖蒲の節句(5月5日)などは完全に移動して、花暦は忘れ去られて雛祭りやこどもの日としか呼ばれなくなった。旧暦で行われている行事の代表は中秋の名月で、旧暦8月15日の夜の月を言う。旧暦の秋は7月~9月なので真ん中の8月の15日(新月から15日目)が澄み渡った秋の空の満月をめでる日として定着した。前述したように旧暦は毎年ずれていくので、中秋の名月は年によって新暦の9月だったり10月だったりする。
(注9)外国の年中行事で、日本に根付いたものはキリスト教関係のものが多い。まず12月25日のイエス・キリストの生誕を祝うクリスマス(Christmas)がある。4世紀からキリスト教会の下で広まり、現在は世界中で祝われていて祝日となっている国も多い。日本では大正時代に普及し、昭和初期に定着した。現在ではクリスマス・マーケットやクリスマス・イルミネーションなど派生イベントも多く、年末の風物詩になっている。
次に日本に定着したイベントは、2月14日のバレンタインデー(Valentine's Day)。カップルがプレゼントやカードを交換するロマンチックな日だが、日本では商業上の背景から女性から男性にチョコレートを贈る日として1970年代から広まった。近年では欧米諸国と同様にチョコレート以外も贈るようになった。一方で義理チョコ・友チョコといった軽いプレゼント交換の日にもなっている。
最近は10月31日のハロウィン(Halloween)が、東京渋谷や大阪難波などでの若者のコスプレイベントとしてマスコミに取り上げられるようになって知名度だけはあがった。イースター(Easter)はイエス・キリストの復活を祝う日で、キリスト教世界ではクリスマスよりも重要な祭日。日本でも集客や商品販売の手段としてイベントが開催されることも増えたが、一般には全く浸透していない。これはイースターが太陰暦に基づく移動祝日で、日程がわかりにくいことが大きな要因になっているためと思われる。同じ理由で、中国の春節も横浜・神戸・長崎の中華街の地域イベント以上の広がりは見られない。
(注10)情報は変更されている場合があります。特に近年は、新型コロナ感染拡大などの影響による、延期・中止・開催内容の変更に注意が必要です。ご利用の際には公式サイト等で確認してください。
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